標高3776mと日本最高峰を誇る富士山は、
万葉集にも詠んだ歌が登場するように、
古くから現代の世まで、人々の心をつかんで離しません。
また、その優美な姿は葛飾北斎をはじめ、
数多くの芸術家に寵愛され、作品の題材にもなっています。
まさに日本の象徴であり、「心のふるさと」ともいえる富士山は、
2013年にユネスコが定める世界文化遺産に登録されました。
誰もが愛する富士山の登録に、日本中が喜びに包まれましたが、
その陰には登録までの長く厳しい道のりと、人々の努力があったのです。
本セミナーの講師である小田全宏先生は、2003年から富士山を
世界遺産にしようとする活動を続けてきました。
当事者として長く携わってきたからこそ語れる、
世界遺産登録までの経緯と富士山が人々を魅了してやまない、
そのパワーについて解説します。
世界遺産は、自然遺産と文化遺産に分けられます。
前者は、人類が未来永劫守りたい自然について、
後者は人類の叡智によって作られた文化的な建造物などを指します。
では、富士山が該当するのはどちらかと考えると、
「自然遺産」だと思うのが一般的でしょう。
世界遺産登録を目指す組織でも、当初は自然遺産での
アプローチを進めていましたが、残念ながら実現には至りませんでした。
なぜなら「富士山のような形をした山は、他にいくつでもある」
というのです。確かに、フィリピンのマヨン山やチリのビジャリカ山など、
円錐形で左右対称の山は、世界を見渡せばいくつも存在しています。
これでは自然遺産の条件である「ここにしかない類まれな自然現象」
と言い切れないのです。
事態は一転、文化遺産での登録を目指すことになりました。
富士山を見事、世界遺産登録へと導いた認定NPO法人の委員長
である小田先生が語る、富士山が持つ絶対的な精神性と文化的要素とは。
さらに、小田先生が富士山を通して後世に伝えたい、美しい日本人の心とは。
現代人が日々の忙しさで忘れかけている、心の豊かさについて
気づかせてくれるセミナーです。是非、ご覧ください。
小田 全宏(おだ ぜんこう) 先生
東京大学法学部卒業後、(財)松下政経塾入塾。
松下幸之助翁指導のもと、一貫して人間教育を研究。
多くの企業で「陽転思考」を中心とした講演と人材教育実践活動を行い好評を博す。
NPO法人「日本政策フロンティア」を設立し、理事長を務める傍ら、NPO法人「富士山を世界遺産にする国民会議」運営委員長として全国を東奔西走している。