色鮮やかな織物は縦糸と横糸で作られています。
まずはじめに張られていく縦糸は、常に真っすぐに、切れることのないように、奇麗に強く張るのです。
何があっても切れてはいけません。けっして歪みません。
そして次に、様々な材質や強度の異なる横糸を入れていきます。
横糸は材質によって入れ方が異なりますし、時に切れやすく、その都度入れ直していきます。
じつは経営にも同じように、縦糸と横糸があります。
貫き通すものと都度調整されていくもの。それは経営の形でもあります。
経営は時代の波に合わせて舵取りをしていくものですから、都度調整し、都度変化していくものです。
そしてこれは経営の横糸と呼べるものです。
それに対して、経営の縦糸とは、時代の中で貫き通されていくもの。
歴史の視点から見れば、全ての企業活動は「衣食住の改善、文化の生成に寄与している」のです。経営とは「歴史に連なるもの」でもあるのです。
経営は、時代に流されないものと時代に合わさっていくものの、二つの側面を持つのです。
そしてこれからの時代は、横糸のみの経営では時代の荒波に翻弄され続け、やがて何も残らない結果となるでしょう。
だからこそ、歴史に学び、歴史を見つめ、企業経営の縦糸をしっかりと作る必要があります。
歴史を振り返れば、栄光もあれば衰退もありました。
古きものを捨てて新しいものばかりを取り入れた結果、歴史の荒廃の跡には、何も残らない。
それは私たちが、私たちの歴史に息づく縦糸を残さない時、生じる悲劇に他なりません。
自分たちの役割、誇りがあればこそ、不幸な時代が訪れても、私たちは新しく何かを作ることができます。
これからの時代はますます「私たちは何者であるか」を問うことが重要な時代になっていきます。
それは経営でも同じことなのです。
だからこそ経営の極意を歴史から学ぶ必要があるのです。
過去に私たちはどのような文化を育み、そして今、私たちが何を成し得ていくのか。
本講座において「過去と現在の融合」こそが、経営の縦糸であることを学んでください。
藤原 直哉(ふじわら なおや) 先生
経済アナリスト 株式会社あえるば 取締役会長
特定非営利活動法人日本再生プログラム推進フォーラム 理事長
独立系シンクタンクとして「経済」「政治」「国際情勢」「組織のリーダーシップ」に関する独自の分析を行っているほか、小田原市および長野県南信濃遠山郷に拠点を構え、ロハス体験学校の主催、コンサルティング、社内教育、講演、執筆活動を行っている。
また、藤原直哉が執筆する「ワールドレポート」を毎週発行。その他、社会人学校「藤原学校」を東京で月2回開催し、全国各地で「藤原塾」も開催している。
さらにNHKラジオ第一放送の「ビジネス展望」、山口放送ラジオの「情報ダブルクリック」にレギュラー出演、NHK文化センター青山教室では「世界の中の日本経済」というタイトルで時局分析を行っている。
このほか以下の職責を兼務している。
・渋谷ソーホーバレーコモンズ(SVC)推進協議会会長
・有限責任事業組合藤原KAIZEN研究会顧問
・ワシントン大学経営大学院名誉卒業生
・ワシントン大学経営大学院キー・パートナー
株式会社あえるば
URL:http://www.fujiwaraoffice.co.jp/